IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
昨今、原価管理の領域について、お客様の関心・ニーズは非常に高く、弊社の原価管理システム事例セミナーには多くの方から申し込みがありました。
その背景には、お客様をとりまく様々な事情があると考えます。
例を挙げると、
しかし、原価にも様々な原価が存在し、それを必要としている人達も異なります。
製造原価・・・製造部門、購買部門、開発部門
ロット別原価、工程別原価・・・製造部門
予定原価・・・製造部門、購買部門、経理部門、企画部門
売上原価・・・販売部門、経理部門、企画部門
見積り原価・・・販売部門、開発部門
予算原価・・・経理部門、企画部門
ライフサイクル原価・・・企画部門、開発部門
また、原価管理システムは財務諸表の作成を中心に構築されていることが多く、特に大規模ERPシステムの中で構築した原価管理システムについては、「今のニーズに合致しない」とお客様から不満の声をよく聞きます。
そこで提言します。
「攻める原価管理システムは大規模ERPの外へ」
"攻める原価"としたのは、活動結果を原価計算として情報収集するだけでなく、予算、見込み、シミュレーションと言った先を見越した原価計算や差異分析、原価改善といった最近のお客様のニーズに合致したもの、として記載しました。
ERPの外に原価管理システムを置くことで、ERPシステムの制約を受けずに原価管理システムを利用することができるのです。
原価管理システムに求められるものが拡がっている中、これからの原価管理システムは情報系システムという位置付けで、ERPと独立していくと思います。また、採算管理、予算管理システムとの連携も必要となり、経営管理システムの一つとして役割も担うことになると思います。
◇ 担当:松田 延(ISID コンサルタント)
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。
前回のコラムで、私は予実管理にエネルギーをかけすぎてはいないか、経営意思決定に役立つ情報提供にもっとエネルギーをかけるべきではないか、という話をしました。
そして、経理の役割は、実績を出して予実分析をするところまでで、経営情報は、経理ではなく経営企画部門が作成することだという意見が大半だろうという認識を示しました。
経営企画部門が作成する経営管理情報は、経理部門が作成した実績に相当程度依存します。経理部門が作成した、「制度に準拠した正しい」情報を利用するのだから、問題ないだろうと考えがちです。
しかし、制度会計を熟知しているみなさんなら、よくお分かりでしょう。
制度会計に準拠した財務数値は、必ずしもみなさんの会社の実態を表していません。
例をあげてみましょう。
まず、有形固定資産の減価償却はどうでしょうか。特に、耐用年数は実際の利用年数と異なる税務上の耐用年数にしていないでしょうか。
これで減価償却費は、自分の会社の実態を表しているといえますか?
金型などは、高額にもかかわらず、実際には何十年も使えるのに、1年や2年で償却しているケースが多いようです。
開発費はどうでしょうか。
次期以降に発売予定の新製品の開発に係るコストなのに、資産計上せず、全額発生時に費用計上しなければなりません。これで、自分の会社の実態を表しているといえるでしょうか。
減損会計ではどうでしょうか。
2期連続赤字になるまで、減損の兆候はないということにしていないでしょうか。
制度会計上の減損の兆候が、経営者が事業撤退などの判断をするきっかけとなっているようです。しかし、2期連続赤字になるまで、事業の撤退をせまるタイミングが遅れてもよいのでしょうか。
マーケットや市況が悪化してから、2期連続赤字になるまでは、かなりの時間が経過します。日本の経営判断が、海外企業と比べて遅いと言われる原因になっていないでしょうか。
こんなことを言っても、経理部門としては、制度会計で規定された通りに、外部報告資料を作成することをやめるわけにはいきません。
しかし、大事なことは、制度会計通りに作成した財務情報や判断情報が、そのまま経営者に届くことの是非をよく考えることです。
制度会計通りに作成した情報が、自社の実態を正しく表しているのであれば、問題ないのです。しかし、制度会計には、企業の実態を表すことよりも、同じ会計処理をさせることで比較可能性を担保しようという作用が強く働きすぎるのです。
考えてもみてください。
業種も違う、会社規模も違う、企業の成長ステージも違う、経営スタイルも違う、ビジネスの強みや弱みも違う、そんな中で、すべての企業に同じ会計処理をさせようというのが、制度会計です。
これでは、個々の企業の実態を表すこととは、本質的に大きく異なってしまうのは当然ともいえるでしょう。
つまり、制度会計で作成した情報を、よく考えずに管理会計に利用するのは、経営者が利用する情報として不適切となる危険があるということです。
2月のISIDセミナーでは、広島だけでなく、東京、大阪、名古屋でも、私の考えをお話しできることになりました。
皆さんとの意見交換ができる機会になればうれしく思います。
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