IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
昨年からBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)についての対応が、各社様で実施段階に入り、
弊社の連結会計システムSTRAVISとの関連についてのお問い合わせが増えています。
私はSTRAVISのコンサルタントなので、今回は4月19日付で経団連より公表された「BEPSプロジェクトを踏まえた今後の国際課税に関する提言」(以下、
BEPS提言)の内容を交えながら、連結会計システムで可能なことをご紹介したいと思います。
このBEPS提言の中で、国別報告事項の解釈に関しての留意事項が言及されています。具体的には、下記の点です。
◇ 担当:寺村 航(ISID/コンサルタント 公認会計士)
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。
新日鐵住金が4月28日に提出した連結決算短信の「4.会計基準の選択に関する基本的な考え方」に、以下の記載があります。
「当社グループはグローバル展開を推進しており、国際的な会計基準への移行について、平成31年3月期第1四半期からの適用を目途に検討を進めております。
なお、国際的な会計基準として、IFRS(指定国際会計基準)又はJMIS(修正国際基準)の適用を検討しております。」
主要な企業としては、初めてJMISを適用する可能性について言及したものと言えるでしょう。
私は2013年から、新日鐵住金がJMISを使用する可能性が非常に高いと言ってきました。その根拠は、2013年6月に金融庁が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(以下、「当面の方針」)が作成され
るまでの議事録で、新日鐵住金の谷口委員が「エンドースメントされたIFRS(あるべきIFRS)」の策定を、積極的に主張していたことにあります。
また、「あるべきIFRS」をASBJで策定することが、「当面の方針」で決定されたことを受けて、ASBJにおいて「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」
が設置された際に、新日鐵住金は、山床眞一氏(財務部 決算室主幹(部長代理))という、連結決算のエースを委員として派遣しています。
つまり、JMISの作成のコアメンバーとしてエースを送り出すほど、積極的だったのです。
さらに、経理情報誌「企業会計」の座談会では、有形固定資産の減価償却方法について、日本の従来の会計制度で選択されてきた定率法を採用することの論
理的な正当性を、明確に説明していました。
これらの動きを総合すると、新日鐵住金がいわゆる「ピュアIFRS」ではなくJMISを採用する可能性が非常に高いと判断することは、荒唐無稽なことではありませんでした。
最終的には、JMISを採用することの意義やメリット・デメリットを、「会社」として判断することになるのだとは思いますが、これまでの動きを見ていると、
新日鐵住金という会社は、単純に一企業としての判断だけではなく、日本の基幹産業を担う自負を持っていることを強く意識した判断を行うのだろうと感じています。
多くの上場企業の中には、いよいよJMISを採用する企業が出てくるか、ということについて、興味をもつ企業もあるかと思います。それはそれで意義のある
ことだと思いますが、私が「より実務的」に影響があるだろうと考えているのは、上で触れた、有形固定資産の減価償却方法についてです。
有形固定資産の減価償却方法については、ピュアIFRSとJMISの間に相違はありません。つまりいずれを選択しても、有形固定資産の減価償却方法については、
変わらないことになります。
そこで、新日鐵住金が、ピュアIFRSであれ、JMISであれ、定率法を採用したことを開示したならば、日本のIFRS適用実務が、少なからず変わるのではないかと考えています。
新日鐵住金という、日本を代表する企業が、自信をもって定率法を採用したとなれば、これからIFRSを適用する企業は、「定額法ありき」ではない対応が、
十分俎上に載ってくるのではないでしょうか。
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